2025/11/19(水)
住んでいない家を売却する際の税金とは?賢い選択肢で賢く節税
住んでいない家を所有していると、固定資産税や都市計画税などの維持費がかかります。
そのため、売却を検討する方もいるのではないでしょうか。
しかし、売却益が出た場合、税金が発生する可能性があります。
そこで本記事では、住んでいない家を売却する際にかかる税金の種類や計算方法、利用できる特例控除について解説します。
税金で損をしないための最適な選択肢について見ていきましょう。
住んでいない家の売却と税金
売却にかかる税金の種類
住んでいない家を売却する際には、主に以下の税金がかかります。
- 譲渡所得税
- 印紙税
- 登録免許税
- 固定資産税
譲渡所得税は、売却によって得た利益に対して課税される税金です。
印紙税は、不動産売買契約書に貼付する印紙にかかる税金であり、登録免許税は、不動産登記の際に発生する税金です。
そして、固定資産税は、その年の1月1日時点の不動産の所有者に対して課税される税金です。
これらの税金について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
税金の計算方法を理解する
1: 譲渡所得税の計算方法
譲渡所得税は、以下の計算式で算出されます。
譲渡所得 = 売却価格 – (取得費 + 譲渡費用) – 特別控除
取得費とは、家を購入した際の購入代金や建築代金、購入手数料などの合計額です。
建物の場合は、所有期間中の減価償却費相当額を差し引いた金額となります。
譲渡費用とは、不動産会社への仲介手数料や、売買契約にかかった印紙代、建物の解体費用など、売却にかかった費用の合計額です。
特別控除は、一定の条件を満たす場合に適用される控除で、後述する「3,000万円の特別控除」などが該当します。
2: 譲渡所得税の税率
譲渡所得税の税率は、不動産の所有期間によって異なります。
- 短期譲渡所得(所有期間5年以下):39.63%(所得税30% + 復興特別所得税0.63% + 住民税9%)
- 長期譲渡所得(所有期間5年超):20.315%(所得税15% + 復興特別所得税0.315% + 住民税5%)
所有期間が5年を超えるかどうかで税率が大きく異なるため、売却のタイミングを検討する際には注意が必要です。
3: 印紙税の計算方法
不動産の売買契約を交わす際には、契約書に収入印紙を貼付する必要があります。
印紙税額は契約金額によって異なり、2027年3月31日までに作成される契約書には軽減税率が適用されます。
例えば、契約金額が1,000万円超5,000万円以下の場合、本来の印紙税額は2万円ですが、軽減税率が適用されると1万円になります。
4: 登録免許税の計算方法
登録免許税は、不動産登記申請時に納付する税金です。
空き家の売却の際には、抵当権抹消登記や所有権移転登記を行う際に発生します。
抵当権抹消登記の登録免許税は、不動産1個につき1,000円です。
所有権移転登記の登録免許税は、固定資産税評価額に税率を乗じて算出します。
5: 固定資産税の計算方法
固定資産税は、毎年1月1日時点の不動産の所有者に対して課税される税金です。
固定資産税評価額に1.4%(税率は自治体によって異なる場合があります)を乗じて算出します。
年の途中で売却した場合、固定資産税は売主と買主で日割り計算し、それぞれが負担するのが一般的です。
税負担を軽減する特例控除
空き家の売却にかかる税負担を軽減するための特例控除がいくつか存在します。
1: 相続した空き家の3,000万円特別控除
相続によって取得した空き家を売却する場合、一定の要件を満たすことで、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。
この特例の適用を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。
- 相続開始の直前において、被相続人(亡くなった方)が居住していた家屋であること
- 1981年5月31日以前に建築された家屋であること
- 相続時から譲渡時まで、事業・賃貸・居住用に供されていないこと
- 相続から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡すること
- 売却代金が1億円以下であること
2: マイホームを売ったときの特例
自分が住んでいた家を売却する場合、所有期間に関係なく、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。
この特例の適用を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。
- 自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること
- 売った年の前年および前々年に、この特例を受けていないこと
- 売手と買手が、親子や夫婦などの親族関係・密接な関係でないこと
3: 10年超所有軽減税率の特例
所有期間が10年を超える居住用財産を売却する場合、一定の要件を満たすことで、譲渡所得税の税率が軽減される特例があります。
譲渡所得のうち6,000万円以下の部分については、所得税率が10%(通常は15%)に軽減されます。

損をしないための最適解とは
空き家問題の背景と現状
近年、空き家問題が深刻化しています。
その背景には、少子高齢化や人口減少、核家族化の進行など、様々な要因が絡み合っています。
空き家を放置すると、建物の老朽化が進み、倒壊の危険性が高まるだけでなく、不法侵入や放火などの犯罪のリスクも高まります。
また、景観を損ねたり、衛生環境を悪化させたりするなど、周辺住民の生活環境にも悪影響を及ぼす可能性があります。
このような状況を受け、国や自治体は空き家対策に力を入れており、空き家の所有者に対して適切な管理を義務付けるとともに、空き家の利活用を促進するための様々な支援策を実施しています。
売却以外の選択肢を検討する
空き家の活用方法は、売却だけではありません。
1: 賃貸に出す
空き家をリフォームして賃貸に出すことで、家賃収入を得ることができます。
ただし、入居者の募集や管理、修繕などの手間がかかります。
2: 空き家バンクに登録する
空き家バンクとは、自治体が運営する空き家情報サイトのことです。
空き家バンクに登録することで、空き家を借りたい人や買いたい人に見つけてもらいやすくなります。
3: NPO法人などに寄付する
空き家をNPO法人などに寄付することで、社会貢献につながります。
また、寄付金控除を受けることができる場合があります。
状況に合わせた最適な選択肢
空き家の活用方法は、所有者の状況や空き家の状態によって異なります。
例えば、
- 経済的な余裕がない場合は、売却して現金化するのが現実的な選択肢となります。
- 空き家を将来的に利用する可能性がある場合は、賃貸に出したり、適切に管理したりすることで、資産価値を維持することができます。
- 社会貢献に関心がある場合は、NPO法人などに寄付するという選択肢もあります。
専門家への相談も有効です。
不動産会社や税理士などの専門家に相談することで、最適な活用方法を見つけることができます。
まとめ
住んでいない家の売却には、譲渡所得税、印紙税、登録免許税、固定資産税などの税金がかかります。
しかし、特例控除を活用することで、税負担を軽減することが可能です。
空き家問題の背景や現状を理解し、売却以外の選択肢も検討した上で、ご自身の状況に合わせた最適な選択肢を選ぶようにしましょう。