COLUMN 不動産売却コラム

2025/08/07(木)

不動産売却時の取得費算出方法とは?概算取得費と市街地価格指数を活用しよう

不動産売却で税金の計算に頭を悩ませている方へ。
特に、過去の購入費用である取得費が不明な場合、どのように計算すれば良いか迷うのではないでしょうか。
売却益を正確に把握し、適切な税金対策を行うことは、スムーズな不動産売却にとって非常に重要です。
取得費が不明な場合でも、いくつかの計算方法があり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。
今回は、最適な方法を選択するための情報を提供します。

不動産取得費の概算とは

概算取得費の計算方法

取得費が不明な場合、国税庁では売却価格の5%を取得費として計算する方法を認めています。
これを「概算取得費」といいます。
例えば、1,000万円で売却した不動産の場合、概算取得費は1,000万円 × 5% = 50万円となります。
非常に簡便な計算方法です。

概算取得費のメリット

計算が簡単で、特別な資料が不要な点が大きなメリットです。
時間と手間をかけずに、迅速に譲渡所得を計算できます。
税務申告の期限に間に合わないという心配も軽減できます。

概算取得費のデメリット

概算取得費は、実際の取得費よりも低い金額になることが多いです。
そのため、譲渡所得が過大に算出され、本来支払うべき税金よりも多く支払う可能性があります。
節税の機会を逃してしまうリスクも伴います。

不動産取得費の正確な算出方法

市街地価格指数を用いた計算

より正確な取得費を算出するには、「市街地価格指数」を利用する方法があります。
これは、一般財団法人日本不動産研究所が発表する、過去の土地価格の変動を示す指標です。
不動産の購入時と売却時の市街地価格指数を用いて、取得時の価格を推定します。
具体的には、売却価格 × (購入時の市街地価格指数 ÷ 売却時の市街地価格指数) で計算します。

市街地価格指数の入手方法

市街地価格指数は、一般財団法人日本不動産研究所のウェブサイトなどで入手できます。
ただし、対象となるのは宅地であり、すべての地域を網羅しているわけではありません。
また、過去のデータを探す必要があるため、多少の調査が必要です。

正確な取得費算出のメリット

概算取得費と比較して、より正確な取得費を算出できる可能性があります。
これにより、譲渡所得を正確に把握し、税負担を最小限に抑えることができます。
節税効果も期待できます。

正確な取得費算出の注意点

市街地価格指数を用いた取得費は、必ずしも税務署で認められるとは限りません。
推定した取得費の合理性を説明できる資料が必要となる場合があります。
また、対象不動産が宅地であること、公示価格や路線価の推移と市街地価格指数の推移が同等であることなども条件となります。

まとめ

不動産売却時の取得費が不明な場合、概算取得費と市街地価格指数を用いた計算方法の2つがあります。
概算取得費は簡便ですが、税金が高くなる可能性があります。
市街地価格指数を用いた方法は正確性が高い一方、税務署で認められる保証はなく、資料の準備も必要です。
どちらの方法が最適かは、不動産の状況や、時間的・経済的コストなどを考慮して判断する必要があります。
不明な点があれば、税理士などの専門家に相談することをお勧めします。
正しい知識と適切な手続きで、安心・安全な不動産売却を実現しましょう。
税金計算は専門家に相談することで、大きな安心を得られるでしょう。

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